2013年9月25日水曜日

改めて寺田という男

先日の長岡京ソングライン、数あるアーティストの中からMILKBARを選んで見に来てくれた皆様、ありがとう。

昨日、皆様にお話した通り、Baの寺田がようやく癌という大病を克服して帰ってきました。

まだ完璧に治った訳でもなく再発する可能性が0でもないのだけど、長かった治療をとりあえず一段落するに至り皆様にご報告させてもらいました。

昨年の5月17日、寺田から突然の癌報告を受けました。

以前から体調不良を訴えてたので、検査に行く事は知っていましたが、まさか癌だなんて誰も思わない。

その報告を受けた時、僕と直也は昼飯をノンキに食っていた最中で、あまりの突然に食べ物の味がなくなりました。こんな事ってあるんだな、と今も思い返せば、あの時だけです。

リリース直後で初めてのインストアもワンマンライブも決まっている中で、突然の宣告。

「今日のライブでバンドを離れる」

そんな中やったライブはもう何がなんだかわからなかった。覚悟のしようも感傷にしたる時間もなかったから。

終演後は駆けつけてくれたマネージャーの有堀と直也と逃げるように酒を飲むしかなかった。

そして泣いた。

家に帰ってサイトで色々調べて、癌に対して、知識を得れば得るほど、「死」という文字が浮かんだ。
寺田とは僕は10代からの付き合いで、メンバーとしてだはなく、大切な友人でもある。
覚悟はしなくてはならない、俺ができる事をしなくちゃならない、けど突然すぎて、何もできない。
色んな人に相談にいき、色んな事を調べた。
知れば知るほど話せば話すほど不安がどんどん膨らんだ。

それでもMILKBARを続けるために、僕と直也はステージにあがり続けました。
いつか絶対帰ってくると信じて。
そしてそんな僕たちの気持ちを真っ正面から受け止めてくれたのが空中ループの森さんでした。
正直スゴくやりにくいサポートだったはずなのに、引き受けてくれて、森さんは僕たちに甘さや情けをかける事をあえてしなかった。
「自分がやる限りはMILKBARをよくする。」
時には叱って、音楽を教えてくれた。

本当に本当に素晴らしい人だと思う。

あの人がいなかったら僕らはきっと無い。本当に感謝しています。

それでも寺田が死ぬかもしれないという不安は日に日に減るどころか増えていく。

こんな思いまでして続けなければならないのかと、もう無理だと、直也と夜な夜な話した。

直也と術後の寺田に会いに行った。

「俺のせいでごめんな」と彼は言った。

一番しんどいのは寺田だった。

やりたかったインストアも立ちたかった難波hachのステージも病床で過ごしてたんです。

悔しい思いをしながら一人病床で大病と闘っていた。

なんて甘いんだと自分の情けなさを悔いた。


そんな姿を見てると紙切れに捕まってる状態でも僕らはやり続けねばならんとそう決心しました。

そして退院後、厳しい抗がん剤治療受けながらも彼はバンドに帰ってきた
再発するかもしれない恐怖の中、治療に専念する事よりもバンドをする事を選んだ。

だからこそ、僕と直也も真っ正面からコイツとぶつかろうと、あえて情けはかけず、衰えてるスキルを指摘したり病気を言い訳にする事を許さなかった。

すごく酷いと思うけど、命をかけてバンドをやる男にそこまでMILKBARを愛してる男に中途半端な情けはかけたくないと思ったから。

できなきゃクビだとまで言ってたからな、内心では本当に辛かった。

それでも寺田はやった。全部に答えた。全てに結果を出した。


そしてこうやってまた長岡京ソングラインのステージにちゃんと立つ事ができ、そして皆様にご報告ができた。

そんな彼とリズム隊をやれる事に喜びを覚えるし、それまで支えてくれた皆に心から感謝しています。

これは本当に事実です。

お情け頂戴に聞こえるかもしれないが、僕は今、寺田を祝ってやってほしいです。

10月2日の発売、「THE JOSHUA TREE」

長岡京で直也は「メンバーのために書いた歌だ」と言ってた。

改めて皆に聞いてほしい。そして10月26日は京都タワーレコード、11月3日は東京新宿のタワーレコード、それぞれ壮大に祝ってほしいと思う訳です。

今後ともよろしくお願いします。

ドラム 梶谷

10月26日(土)@京都タワーレコード 14:00 スタート<一部情報が15:00になっていましたが、正しくは14:00スタートです。>
11月3日(日)@新宿タワーレコード 15:00 スタート

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